演歌
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前回の記事とは逆のお話。
もう長いこと参加させていただいている、演歌歌手、入山アキ子さんのバックバンド。
毎年12月が恒例だったんですが、今年は9月のバースデー・コンサートでも演奏させていただきます。
演歌は他のどのジャンルとも違っています。
歌い手のキーに合わせるため、とんでもないキーの曲も多いし、独特のフレージングが必要です。
毎回とても勉強になります。
とにかく、演歌には歌唱力が絶対条件。
強い喉も必要不可欠でしょう。
大人な歌詞も多く、表現力も試される。
昔紅白歌合戦なんかに出ている大御所さんの中には毎回涙しながら歌っている人もいたなぁ。
そのくらいとことんやるんです。
僕の印象としては、個性は一定のフォーマットの中に表現されると言うことです。
逸脱してしまっては、演歌にならない。
矛盾した言葉ですが、古いモダンジャズにも同じ様な現象があります。
そして面白い事に、新しい音楽を追求する人と同様、内向きに掘り下げるという感覚があるように感じます。
奥はとてつもなく深いのです。
どこまで行ってもまだ先がある。
そういう訓練?を長年積んできた歌い手の方には揺るがない芯があります。
それは、入山さんの歌を聴くといつもかんじることですが、確実に聴衆を魅了するんです。
なんというか、生で歌われた場合には流し聞きは許されないという感じ。
吸引力が凄い。
だから、ファンは何度でも聴きにくる。
昭和が生んだ文化なので、昭和を生きた人には特に届く。
年配のファンが多いのは当然の成り行きです。
僕が小さい頃は、演歌はヒットチャートの一角を必ずおさえていた。
歌謡曲が好きだった僕に言わせれば、演歌は邪魔な存在だった。
でも、実は心に届いてもいたんです。
大人になった今、本物の演歌歌手と仕事をするようになった今、その存在感、歌唱力、揺るがない芯、そういうのを確実に感じとれるのです。
僕は今や、入山さんでもコルトレーンでも同じ涙が溢れるのです。