自由なんていらない?
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先日、珍しい仕事でエヴァンゲリオンしばりの音楽というのをやってきました。
アニメ、エヴァンゲリオンで使われた音楽だけを演奏するというものです。
僕は他にも、ジブリしばりとかトムとジェリーしばりとかいろんなしばりで演奏してきた経験があります。
もっというと、スタンダード・ジャズしばりとか、ビートルズしばりとか、70年代しばりとか、しばりっていろいろあります。
これは笑点でいう大喜利と同じで、なにかお題を与えられて、いかに面白いことが言えるかという勝負です。
お題とは、テーマであり、コンセプトでもあると言えるでしょう。
自分で選択したモノじゃないから、いろんな意味で楽です。
あんなお題でよくここまでやったよとか、本来の音楽の価値とは違う評価になったりします。
時には大胆にアレンジしないと全く成立しないようなお題が来ることがあります。
そんな時は逆に自分の個性が際立たせることが出来たりもします。
自分の信じる最高にかっこいいボキャブラリーと組合さなければ、良く成りえないようなお題がそうさせるのです。
失敗して元々という感覚があるから、かりに上手くいったときには、実力以上に評価してもらえることがあります。
言い訳が用意された上でやるんですから、精神的にとても自由だし楽です。
要は、選択肢を狭めることでクリエイティブになれる事があるということです。
小さな子供は、白紙を渡されて自由に描いていいと言われると、よくわからないものをき残し、すぐに飽きます。
しかし同じ子供でも、イメージの限定された塗り絵を渡されれば、それなりに面白い配色で作品を仕上げます。
優れたプラモデル・マニアが時に素晴らしい作品を残すのも同様です。
かのアンディー・ウォーホルにしても、キャンベルスープの缶をモチーフに自分の作品を生み出しました。
モチーフのもつ限定されたイメージがこの作品を生み出しているし、ウォーホルの創造性を刺激したことは疑いようがありません。
最近なにかと話題に上がるパクリとは一線を画します。
ヒップホップのトラック・メイカーは、常にかっこいいグルーブを求め、サンプリング素材を探すレコードの旅にでます。
求めていたグルーブを見つけることができれば、ものすごく短時間で1曲完成させることだってできる。
こうやって見ていくと、自由なんてものは実はクリエイティブな行いにとって害悪なのかもしれませんね。
そんなはずないけど。