カラフルなモノクロ写真~音楽家レイ・ハラカミ逝く~
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音楽家のレイハラカミさんが享年40歳という若さで他界されました。
最近有名人が亡くなるニュースが続いていますが、ハラカミさんが亡くなった知らせは、僕には特別に響きました。
人のアンテナに直接触れるような音楽を作ることの出来る、まれな存在。
解き明かすことは出来ないこの気持ちよさの理由。
僕は、彼の特殊な音楽制作環境を知る前に彼の音楽に魅了されました。
カラフルなモノクロ写真というイメージ。
ローランドSC-88PROオンリーで紡ぎあげたという信じられないサウンド。
音楽制作はやればやるほどに機材が増えていく。
新製品は当然たくさんの新しいアイデアが投入され、音の質的向上はもちろん、音楽制作に直接影響を与えるようなインターフェイスを獲得していく。
この進化の功罪のひとつに、音楽の大量生産化と言う問題がある。
音楽理論的な知識などなくても、アイデアと才能さえあれば誰でも「良い音楽」が作れる。
逆に言えば、アイデアと才能に恵まれなかった音楽も大量に生まれてしまった。
ハラカミさんはなぜか機材を増やさなかった。
それはこだわりからそうしたのではなく、結果的に、特に必要を感じなかったからなんだろうと思う。
聴けば聴くほどに味わい深い音。
なぜこんなことが可能なのか。
SC-88PROって、単なるDTM入門音源でしょ?
アイデアだけはどんな時代でも人間から発信される。
どれだけ機材の進化があっても、ここは譲れない譲らない。
かつてジョン・ケージは、サイコロを振ってその出た目で音程やデュレーションを決め音楽を作っていた。
しかし、サイコロが音楽を紡いだんじゃない。
このアイデアが重要だったんだということ。
アイデアの枯渇を新しい機材で埋めてるんじゃないの?
僕は打ちのめされました。
このすばらしい音楽は、誰でも知ってる入門音源から発せられているんだ。
日本の宝が今眠りについた。
今宵はUSTでレイ・ハラカミ追悼番組を見ながら、気持ちよく眠りにつきたいと思います。
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