Chasin' the Sound 5th

サックス(フルート)/ サウンド・デザイナー 栗原晋太郎のオフィシャルブログ

7/27 Duo Live @The Deep Ginza

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7/27の水曜日は、銀座のJazz bar The DeepにてDuo Liveです。
今回は、そのプロモーション用に自宅スタジオでの動画撮影を行いました。

以前、あるプロデューサーさんが、自分は言葉でのアピールは聞かない、基本的に音にしか注目しないと言ってたことがありました。
ミュージシャンの名刺はやはり、音でしか無いのだということです。
しかしながら、多様性はあるのでこれは僕のある一面でしかないとだけは言っておきます。

というわけで、現在の僕というプレーヤーが、このThe Deepというお店でどんな演奏をするのか知らない人も多いと思いますので、是非ご覧いただけたらと思います。
ではどうぞ。


7/27(wed) Shintaro Kurihara Duo Live @The Deep Ginza



無伴奏でサクッと撮ってみました。
このBlogでは初めてのお披露目です。(ちょっと前に試験的に小ネタ動画はやりましたけど…)
曲はディズニークラッシック、Someday my prince will come。
当日はこのThe Deepで出会って数回の共演を経ている川久保典彦さん(Piano)とのDuoでございます。
とてもドラマチックに盛り上げてくれるピアニストですので、本当に自分でも楽しみです。

梅雨も明けているであろう7/27。
涼しい選曲で皆さんをお待ちしております。

7/27(水)The Deep @銀座
栗原晋太郎(Sax)
川久保典彦(Piano)
http://jazz-thedeep.com/

中央区銀座6-3-12数寄屋ビル4F
東京メトロ銀座駅徒歩3分、日比谷駅徒歩4分、JR有楽町駅徒歩4分
tel: 03-3571-9277

Music Charge: 2800
Table Charge: 500
※前日までの予約、女性グループ、学生TC無料
※ドリンクorフード2品以上オーダー制

Open: 19:00~
Live Time: 1st 19:30~、2nd 21:00~、3rd 22:30~(入替無し)

オルタネイト・テイク

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僕の友人の中には、大変なプリンスファンが何人もいます。
昔のバンド仲間には、愛称がプリンスだった者もいました。
先日、日本でも大きく取り上げられた彼の死には、少なからず影響を受けたことでしょう。

今年はとにかく大物が亡くなっていきます。
世界中で幾千の涙がこぼれたことでしょう。
どんな人にも等しく死は訪れる。

プリンスは、一説によれば、自宅のスタジオで仕事をしながら亡くなっていったといいます。
単純にそうであれば、幸せな最期だったかもしれません。
ずっとずっと、音楽を休みなく作っている人だったから…。
彼は多作家で、気分さえ乗ってくれば何十時間でも連続で作業すると言われていました。

本当の意味で天才だったんでしょう。
イデアが絶え間なく出てきたんでしょうね。

そして毎年のようにアルバムとして発表してきました。
彼の死後、3,000曲ものストックがあるという噂まで出始め、むこう数十年は彼の新譜を聴くことが出来るとまで言われているようです。

でもね、

未発表には理由があるんですよ。
僕の好きなミュージシャンの多くは、ぼくが知った時点で多くが他界しており、当初、新譜というものはありえないと思っていました。
でも人気があればあるほど発掘発見された録音物が、新譜やオルタネイト・テイクとして発表されるんです。

でもね、ほとんどの場合オリジナルテイクよりも素晴らしいということはないんです。
歴史的な資料という意味ではもちろん価値もありますが、音楽家は意味あってオリジナルテイクを残しているのだとしたら、死後に発掘してしまうのは少し悲しい様な、違う様な気がします。

でも聴きたいけど。

きちんとアルバムという形で残されたものこそが当の本人の意思であることは確かです。

今まで一番いらなかったオルタネイトテイクは、コルトレーンの「至上の愛」でしたね。
あそこまでスピリチュアルを極めた作品では、無理やり発掘する事は冒涜であるとも思えますね。

違いの分からない男

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サックスのマウスピースの話。
ぼくは最近、長年の相棒であるOttolink Metal NY 8☆を置きました。
そして、Drakeというアメリカのマウスピース職人に手によるマウスピースに変更し、喜々として使用しております。
ものすごく気に入ってるからそれ自体には何の問題もないんです。
でもね、自分から言わないとだれも気付いてはくれないんです。
「弘法筆を選ばずだね」とか言って違いを認識できなかった責任を無かった事にする人が大量発生します。(笑)

自分としては、メタルからの大転換ですよ、一世一代の。
しかもこれまでで最大のティップオープニング。(マウスピースとリード、互いの先端の距離。これが違うと吹き味は相当変わります。ちなみに今のには9Lと書いてあります。)
でもね、つぎの動画を見て理解したんです。
さぁ、聴いて下さい。

www.youtube.com

あっ、これはどういうことだ?
演奏者である自分にも、マウスピースを変えたことによる音の違いが分からない…。
多分、この動画の意図としては、マウスピース選びの参考にして下さい的なことなんでしょう。

大量生産品は、人気があっても製品ごとのばらつきは避けられません。
厳密な選定を(またはリフェイスと呼ばれる微調整を)必要とします。
なので、僕の使っているDrake(ドレイク)のような、職人の手仕事によるマウスピースが珍重されるのです。
個体差はほぼありませんからね。

でもね、

この動画の演奏者くらいのレベルになると、どんなマウスピースでも同じ音が出てきているわけですよ、実際。
違いなんてハッキリとは認識できない。

ものすごく以前になりますが、新大久保のとあるお店の試奏室で、かの有名な渡◯貞夫さんが演奏されているところに遭遇しました。
そしてお店の人の話で、これまた有名な伊◯たけしさんというサックスプレイヤーと、いま演奏されている方が同じ場所に居合わせたことがあるというエピソードを聴きました。
そして、互いのマウスピースを交換して演奏されたんですって。(ものすごく昔の話ですよ、念のため。)
驚くほどスタイルの違う二人で、使用していたマウスピースも真逆な傾向を持っている物でした、が!
出てきた音は、本人それぞれの音だったそうです。
客観的には違いは感じられなかったといいます。

話戻って、動画の彼を擁護するつもりではありませんが、吹き手本人にだけは、ものすごく明確な違いが存在していることは間違いありません。
この動画を作ろうと思ったのだって、明確な違いを感じたからでしょう。
その意味で、一般公開されたこの動画の存在意義は殆ど無いと言っていいでしょうね。
笑っちゃうくらいに違いがありませんから。
いいから、この中で一番安いの使っとけよ。
いい音だよ、君は、間違いなく。

この動画の演奏者には何の面識もありませんが、僕もこの記事を書かせてもらったので自分の音の違いを聴いてもらおうと思います。
はいどうぞ。

www.youtube.com

違いが分かりましたか?
もし分からなくても僕になにか言わないでくださいね。
気持ちよく演奏できる事が大事なんですから。

プレイヤーそれぞれが持っている音は、サックスに関しては唯一無二です。
マウスピースごときを変えたくらいでは変化も起こらないんでしょう。
客観的には。
あくまで、客観ですよ。それは…。