Chasin' the Sound 5th

サックス(フルート)/ サウンド・デザイナー 栗原晋太郎のオフィシャルブログ

リードの設計を守る削り方って一択だよね?

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サックスやクラリネットは、吹き口に取り付けたリードを振動させて音を出します。
もちろん、メーカーや型番によって個性があります。
上から触れれば、薄い部分と厚い部分が滑らかに繋がっているのが分かります。
その厚い薄いがブランドによって割合や位置が様々になっており、それが個性に繋がっています。
なので、そのグラデーションになった部分を削る行為は、その個性を壊してしまうという事になります。

サクソフォン用リード | Vandoren

例えば、先端付近だけを薄くするとか、中央の盛り上がった部分だけを削るとかそういう調整の事です。
最大手、バンドレン社のリードなどは精密に一枚一枚を電子機器でチェックを行っているそうで、我々ユーザーが勘を頼りに削るなんてのは良い結果になるはずもないんです。
多分。(実体験として上手くいった試しがあんまりないので…)

さらに、先端を少しだけカットするリードカッターなるものもあります。
先端を切り取ると、当然リードの薄い厚いの割合がかわってしまいます。
リードの先端の薄い部分が全体の何パーセントとかに設計されているはずなんですよ。
それでベストになるように。
そこに手を入れるというのは、かなり失敗の確率が上がる行為だと思うんです。

そんな中、そのリードの設計を壊さない方法を発見しました。
リードの裏側、平らになった面を平らな場所で少しずつ削るんです。
これなら、全体が均等に薄くなり、その設計思想にも影響を与えません。
細かい耐水ペーパーを鏡やガラスなんかに置いて、その上で全体を削る。

という訳で持論を展開しました。

これは削る方向でしか調整できないので、薄いリードには使えないテクニックです。
僕は箱から出して薄いと感じたリードは基本的に使いません。
なので、リードの厚さ(厚さは選ぶことが出来ます)はアルトなら一箱10枚入りとして、薄いと感じるリードが3枚以下位になる厚さを選びます。(難儀です)
全部厚めだなと感じるサイズでは、削る時間が長くなってしまうので選びません。

で、
これって、
理屈しとてあってますかね?

自分はそれでなんとかやってきたので、まぁいいんですが、この理解は正しいんでしょうか?
実際に僕は箱から出したそのままでいいと感じるものを選ぶことがほとんどです。
上記の方法で薄くした結果、素晴らしくなったということはそんなにありません。
使えないものが使えるようになったということです。
専門のテナーに関しては異素材リードに乗り換えちゃいましたし…

saxman220.hatenablog.com
今回はだいぶマニアックなひとりごとでした。