Chasin' the Sound 5th

サックス(フルート)/ サウンド・デザイナー 栗原晋太郎のオフィシャルブログ

友野龍士わくわく和太鼓コンサートvol.9を終えて。

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友野龍士わくわく和太鼓コンサートvol.9 が終了しました。
和太鼓のコンサートってもちろん太鼓がメイン。
プログラムを工夫して、色々な可能性をみせることでショーとして完成させるわけですが、たまには変化球が必要になります。
もともと、和太鼓って後ろにまわる存在だし、メロディーを奏でることは出来ない。それを理解した上でどんな工夫が出来るのか毎年頭をひねります。

ジャコ・パストリアスというベーシストが、デジタルディレイが発売されたばかりの頃、フレーズをループさせてグルーブを作りソロを展開するというパフォーマンスをやっていました。

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70年代後半にはもうこんなプレイを聞かせていた人がいるので、ある意味新しいアイデアであるとは言いにくいのですが、テクノロジーの進化でこのループプレイもずいぶんとやりやすくなりました。
しかもこれを和太鼓でやった人はまだいないとのことだったので、とにかくやってみようという話になりました。

これが、今回の新しい挑戦でした。

結果、友野龍士くんはみごとに音をコントロールし、ソロを完成させてくれました。(よかったよかった)ホントはMIDIでトリガーしてマイケル・ブレッカーのやっているEWIのソロに近いところまで行ければ面白いかななんて勝手な妄想を抱いていましたけど…。

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後はこれにあう音楽。もう和太鼓とJazzという組み合わせは食傷気味だったので、全く違う方向から持ってきたかった。この判断は早かった~。クラブ・ミュージックから持ってくるしか無いと自然に思いました。様々なキャリアの中で自分でも作品を作り、世に送り出してもいるこのジャンルならきっとハマると考えました。

そしてDJをステージに立たせるという演出。
後は龍ちゃんと一緒に作った昨年の曲「Dragon」のRemixと龍ちゃんの最初のイメージにあったファンファーレの制作。さらに僕のオリジナルからの選曲。ここまではトントン拍子に進みました。

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問題なく全員リハーサルも終了し、あとは太鼓のソロをどうするか。
まずは一音色づつエフェクターの音色を確かめ、全ての音色を確認したところでビックリ。そのスタジオのPAが良くなかったことも影響しているんですが、効果的であると思えたエフェクトはそれほどは多くはなかった。持続しない音、打楽器の音ではあまりモジュレーション系は効果がなく、フィルター系も生音が強くでてしまう和太鼓には効果的とは言いがたかった。
それでも残った音色をプログラミングし、和太鼓に最適化。ホントにDJ6(Six)こと新さんの力が無ければここまでは出来なかったように思います。ありがとうございました!m(__)m

さて、そこからどうやってソロを構成していくか。なかなかの難題でしたが、さすがの柔軟性を見せる龍ちゃんと、献身的な新さんのお陰で色々なアイデアが飛び出して、今回のようなソロを作り上げる事に成功しました。龍ちゃんカッコ良かった!

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こうやって工夫をすることこそが、クリエイティブの第一歩。限られた時間、限られたリソースを使ってどこまで出来るのか。最後のリハーサルでほぼ完成の龍ちゃんソロを見た時、なんだかこみ上げるものがありました。もうここまでで、今回のステージは成功したも同然でした。

書いてたらずいぶん長くなってしまいました。
とにかく面白いステージでした。来年は10周年。僕はこれを超えるステージのアイデアを搾り出せるんでしょうか?やるしか無いでしょう!

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※写真はカーテンコールをステージ上から撮りました。

※今回の音源を会場限定で販売しました。もしご要望があれば、お分けしますのでこのBlogのメールフォーム(PCのみ対応)から、スマホでご覧の方はこの記事にコメント下されば個別に対応いたします。3曲入り500円です。