Chasin' the Sound 5th

サックス(フルート)/ サウンド・デザイナー 栗原晋太郎のオフィシャルブログ

ストーリーの作り方

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スクリプトドクター三宅隆太氏による、ストーリーの作り方レクチャー。

iTunes - Podcast - TBS RADIO 954kHz「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」

 

AMラジオが好きで、ポッドキャストや録音で色々な番組を聴いています。中でも”ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル“という番組は毎週必ず聞いている番組の1つです。

 

そのポッドキャストで、どういうわけか特別番組として『パパとママのはじめてのおはなしづくり講座』という番組が配信されました。オリジナルのお話など作ったこともない、子持ちのアナウンサーが出演しストーリーづくりの極意を学ぶという番組です。

 

これが凄かった

 

まずは事前に、できる限りでいいので以下の13の項目を埋めるという所から始まります。

 

《書き込みシート》

1、どんな主人公か?好きなモノ、嫌いなモノ

2、主人公が何をしようとする話か?

3、 読み手に伝えたい事は?

4、あらすじ2行程度

5、クライマックスに起こる出来事

6、クライマックスの直前に起こる事

7、きっかけとなる出来事は?

8、どんなラスト?

9、中間部で起こる葛藤、衝突は?

10、主人公の、敵対者はどんな人?

11、主人公の、協力者はどんな人?

12、主人公にとっての破るべき殻は?

13、この物語は、あなたにとってどんな意味を持つ?

 

生徒はこれを5,6割方埋めて、いきなりそれだけの情報をもとに講師はあらすじを語ってみせます。

結構な情報量で埋めるのが大変そうですが、実際にはそれぞれに一言二言の回答をしていきます。

とにかく決まっていないのはストーリー。その周辺情報ををザッと決めるのが先だといいます。

 

まず、書き込みシート1において、主人公の年齢性別はもちろん、嫌いなもの=弱点をつくるというのがキモだそうです。弱点のない主人公には魅力もないそうで、物語とは主人公の何らかの変化(成長)を描くものだからとのこと。(そうでない物語ももちろん存在しますが。)

 

そして、クライマックスを先に考える。

考えるといっても、単純に敵と戦うとか、恋の成就のために告白するとか、その程度でOK

主人公の最大の問題の克服と考えると作りやすい。

主人公は日常から非日常に移行し、非日常を体験した上で新な日常に戻るということなのです。

 

7で言うところのきっかけとは、クライマックスの対になるようなエピソード。Back to the Futureで言えば、クライマックスは「過去から帰る」→そのキッカケは「過去に行く」

 

そして大切なポイントの12主人公の破るべき殻。

これは、未清算の過去思考の癖を行動で変えるということ

思考の癖とは性格、価値観とも言えます。経験から得た思考の癖は行動でしか変えられない。主人公にこの行動を起こさせることが殻を破ることにつながる。

例えば、幼少期犬に噛まれた“経験”から犬が嫌いになる。→通りに犬がいれば遠回りをして目的地に行く。(思考の癖)→大人になっても犬は嫌い。→しかし、仕事でその道を通らなければ時間が間に合わなくなってしまう。→思い切って犬のいる道を通る。(行動を起こす)→噛まない犬もいるということに気付く。(新しい価値観)→殻を破った!

 

番組を聞いていくと、なんとなく物語の作り方がわかったような気になります。

自分の視点では、音楽を作るときにもかなり応用できるんじゃないかという希望がありました。

割りと、オーソドックスな曲ならこれで確かにカバーできる。

一番言いたいことの詰まっているはずのサビを初めに作った方がいいとか、直前におくBメロはサビと対照的にレンジを下げたり、そんな感じですね。
もちろんこれに歌詞が入れば更に応用が効きそうです。

 

これは他のジャンルにもきっと応用が効くんじゃないでしょうか。
ちょっと備忘録として書きました。

詳しくは、このポッドキャストをお聴き下さい。