Victor Wooten at TED - Music As A Language (Japanese Subtitles)
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ビクター・ウッテン。
カタカナにするとどうしようもなくユーモラスな名前のこの御仁は、驚異的なテクニックを持つベーシスト。僕のイメージでは、果てしなく難しいことをさらりとプレイしてみせるテクニック重視のインストルメンタリスト。音楽家というよりは、職人的楽器弾きのニュアンスの濃い人です。
この人がTEDというプレゼンイベントに出演し、とても感動的な持論を展開させたのです。このイメージとはまさに逆さまなプレゼンをね。
非ミュージシャンでも、価値のあるプレゼンですのでまずはご覧ください。20分弱の映像です。↓
冒頭の彼がどうやってベースを、音楽を学んだのかのくだりの時点で僕には目から鱗の気付きがありました。そして後半に出てくる「多くの人が、音楽に初めて接した時の笑顔を取り戻す為に音楽をやっている。」という部分では自分の立ち位置を見透かされているようにも感じたくらいです。
音楽よりも先に楽器を学ぶことは、遠回りの道を行くことになる。
幼い子供が言葉を獲得する時、誰も手取り足取り教えたりはしません。その子が自主的に吸収して自分のもにしていくはずなんです。発音がどうとか、言葉が間違ってるとかそういう事を指摘されることもない。
自分の経験で言えば、僕は自分で楽器に興味をもち楽器にはまっていきました。
正直そこに音楽はなかった。
音楽なんて何でもよかった。上達するともっとそう思えた。音楽なんてその時の自分にとって、演奏の難易度が実力よりもちょっと上の物ならばなんでもよかった。
16歳で楽器を始め、それまでに音楽の素養が全くなかった僕は、楽器の上達という非常に分りやすい自己満足の上にあぐらをかいていた。僕の楽器サックスは、音を出すことだけでも大変なのでそれだけで十分に楽しかった。
上達という麻薬に味を占めた僕は、どんどん音楽とは無関係の境地に向かっていきました。でもね、そういう事って誰も指摘してくれないし、自分で気付くしかない。そういう意味では僕は同じ楽器で群れたりする事がない環境にいられたので少しは良かったのかも。
楽器とか機材だけ好きな人って実はたくさんいますよね。気がついたらそうなってる人というか。オーディオマニアなんてそういう人多い。ものすごいオーディオセットを持っているけど、肝心の音楽にはそんなにこだわりないみたいな。
今はね、だいぶましですよ。音楽を創るようになって、少しは気付きました。
遠回りしましたね。それはそれで楽しかったけど。