Chasin' the Sound 5th

サックス(フルート)/ サウンド・デザイナー 栗原晋太郎のオフィシャルブログ

プラシーボ効果

バイオリン名器の音色、現代モノと大差なし?(読売新聞) - Y!ニュース http://j.mp/xTGtlY


このニュースの画期的な点は、一億円を超える価値をうたわれている某歴史的バイオリンに対するアンチテーゼという部分なんだろうと思う。 ビンテージ楽器に対する幻想は、中高年富裕層アマチュアミュージシャンの購買意欲をそそり、取扱業者の懐を暖める。 これは自論だが、バイオリンに関してはよくわからないものの、サックスに関しては演奏者自身こそが楽器なんだと思う。 楽器がどんな物でも、(ちゃんと調整さえされていれば。)優れたプレーヤーなら自分の音がするからだ。 例えば、ある日の不調を楽器の都合と言ってしまうプレーヤーがいる。 楽器もいい迷惑だが仕方がない。 オーナーがそう言うんだから。 鍛錬をしないプレーヤーは、それを自己催眠的に鵜呑みにしてより高級な楽器を求める。 その結果どうなる? 多分、間もなく言い訳仕切れなくなって楽器から遠ざかる事になる。 こんな風が楽器という道具のたどる道なんですよね。 高ければ高いほど、ある種の価値も増していく。 ワインとか、洋服とかも同じ様な現象が見られます。 プラシーボなんですよね。 うどん粉をエライ先生が薬だと言えば、信じ込んで飲んだ患者の病気が治っていくみたいな。 歴史とか値段とか、そういう部分からプラシーボが生まれる。 でも、薬なら治っちゃうんだからそれはそれでいいのかな。 いい楽器をモチベーションに必死に練習して楽器が上達する場合もあるし。 でも考えれば楽器がいいから音が良くなったんじゃなく、頑張って練習したから音が良くなったんですよ。 まぁ、どっちでもいいですね。