Chasin' the Sound 5th

サックス(フルート)/ サウンド・デザイナー 栗原晋太郎のオフィシャルブログ

Chill Out /Lounge再考


ジャンル感という言葉はとても微妙なものだ。 音楽に限らずその物があるジャンルに属するためには、最低限必要な要素が存在する。 音楽で言えば、ドラムやベースのパターンとか、コード進行とか? 絵画で言えば、色味とか写実性の有無とか? そう言う比較的ざっくりとしたくくり以外にも当然、そのアーチスト個人が持っているその人らしさAnotherジャンル感“個性”というものがある。 Chill Out/Loungeという、世間が言葉として作ったジャンルが確かにあるわけだが、これが実に面白い。 ジャンルというものは多様性の否定であることは間違いないはずなのだが、このジャンルに関して言えば、どうやら個人の感覚にゆだねられているということが分かった。 そこに頼るということは、ジャンル感の希薄さにつながりそうだが、実はそうでもない。 スペインのイビザ島という島には無数のClubが存在し、夜から明け方近くまで人々は踊り狂う。 夜の前のSun Set、明け方のSun Rise。 ここがこのChill Outという“ジャンル”の生まれた最も美しい時間帯なのだという。 上り詰めたテンションを、落ち着かせる。 そのために人は音楽を使う。 その役に立つのであれば、その全てはChill Out Musicなのだ。 面白い。 Jazz以上の自由がそこにはあるのかもしれない。