Chasin' the Sound 5th

サックス(フルート)/ サウンド・デザイナー 栗原晋太郎のオフィシャルブログ

演歌

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前回の記事とは逆のお話。
もう長いこと参加させていただいている、演歌歌手、入山アキ子さんのバックバンド。
毎年12月が恒例だったんですが、今年は9月のバースデー・コンサートでも演奏させていただきます。

演歌は他のどのジャンルとも違っています。
歌い手のキーに合わせるため、とんでもないキーの曲も多いし、独特のフレージングが必要です。
毎回とても勉強になります。

とにかく、演歌には歌唱力が絶対条件。
強い喉も必要不可欠でしょう。
大人な歌詞も多く、表現力も試される。
紅白歌合戦なんかに出ている大御所さんの中には毎回涙しながら歌っている人もいたなぁ。
そのくらいとことんやるんです。

僕の印象としては、個性は一定のフォーマットの中に表現されると言うことです。
逸脱してしまっては、演歌にならない。
矛盾した言葉ですが、古いモダンジャズにも同じ様な現象があります。

そして面白い事に、新しい音楽を追求する人と同様、内向きに掘り下げるという感覚があるように感じます。
奥はとてつもなく深いのです。
どこまで行ってもまだ先がある。

そういう訓練?を長年積んできた歌い手の方には揺るがない芯があります。
それは、入山さんの歌を聴くといつもかんじることですが、確実に聴衆を魅了するんです。
なんというか、生で歌われた場合には流し聞きは許されないという感じ。
吸引力が凄い。
だから、ファンは何度でも聴きにくる。

昭和が生んだ文化なので、昭和を生きた人には特に届く。
年配のファンが多いのは当然の成り行きです。

僕が小さい頃は、演歌はヒットチャートの一角を必ずおさえていた。
謡曲が好きだった僕に言わせれば、演歌は邪魔な存在だった。
でも、実は心に届いてもいたんです。

大人になった今、本物の演歌歌手と仕事をするようになった今、その存在感、歌唱力、揺るがない芯、そういうのを確実に感じとれるのです。

僕は今や、入山さんでもコルトレーンでも同じ涙が溢れるのです。

ameblo.jp

 

TryAngle PanicのNEWアルバムRec.


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TryAngle Panicというユニットに参加させてもらっています。
先日、彼らのNEWアルバムのレコーディングにも参加しました。
昔はインディーズとか自主制作なんていうと、そんなにいいイメージなかったけど、今は違う。
このダイバーシティの時代、個人や独立系でもやり方次第では多くの人に音楽を届けることが出来る。
クライアントがいるとか、レコード会社の意向がどうとか、所属事務の強い弱いとか、そういうのが個性をスポイルしている事例をたくさん知ると、この形での活動が一枚のアルバムとして日の目を見るのはホントに素晴らしい。

似ていないという事は、何にも変え難い事。
しかし、沢山の人から支持を得るには何かに似ている事は大事なこと。
ジャンルなんかはその際たるもので、音楽に簡単にソートをかけ、レッテルを貼ることで、同じジャンルが好きな人の注目を集めようと試みる。

 

もう似てなくて良くない?と腹はくくれないものか?
彼らはやってのけた。
それもとても自然な形で。

 

〇僕が考える誰かに似てないものの作り方。

マイペースこそが独立系の特権。
基本が家内制手工業だからじっくり制作に時間をかけられる。
しかし、時間がありすぎると人間堕落して、作ろうとしなくなる。
でも急かされるのは好きじゃない。
人気なんて出なくていいなどとも思っていない。
だから、ライブとかアルバム制作とか〆切を自らに課して活動を続ける。
誰かと比べない事に少しずつ慣れていくために、音楽を全く聞かない時期をつくったりする。
嫉妬とかやっかみからの開放を求める。
自分は自分であること、でしかないことを真新しく発見する。
そうやって何年か経つと、気付いたら内向きに深く掘り下げている事に気づく。
ふと見つける鉱脈。
まだ誰も見つけてない鉱脈。
さあ、掘るんだ!
見つけてもまだ焦らない。
汗一つかかない。
ようやく形に出来たらしめたもの。
出来なかったら振り出しにもどる。
そんな中でようやく一つの個性が産声を上げる。
もうなんか誰にも似てない音楽が出来あがる。

 

 

是非一度、TryAngle Panicのアルバムをじっくり聴くか、ライブに足を運んでください。
新しいのはいつできるんだろう。
Facebookに彼らのページがあるので、是非チェックしてみて。

  https://www.facebook.com/TryAnglePanic/

自作パソコン


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自作のパソコンを使っています。
なので、OSはWindowsです。
業界の人はほとんどMacを使っているのですが、Windowsでも音楽制作用のソフトウェアに困ることはありません。

一番のメリットは、環境をその時の自分に合わせて簡単に変更、増設できる点です。
自分で作るのでコストも低い。

デメリットはサポートは受けられないこと。
しかし、最近のパーツには相性問題などほとんどなく、ストレスなくあっさりと組み上がります。

その為パソコンの性能に関係ないケースなんかはもうずーっと長いこと同じ。
歴史の中で埋もれていった、フロッピーディスクやMOなんかはその都度取り外されていきました。
一応まだつけてますが、DVDなんかも最近はほとんど使わなくなりました。

パソコン、スマホは結局用途とスペックのバランスなんです。
Macの最大の弱点は選択肢が無いこと。
そこまでの高性能はいらないのに、選択肢が無いから高くても買っちゃう。
そして、最大の利点もまた、選択肢が無いこと。
みんなが同じの使ってりゃ、データがどんどんたまるから、トラブル回避が簡単。
前回の僕のBlog記事で言うところの「おま環」がほとんど無い。

仕事で使う時に、安定は最大のポイント。
人によってはたいした性能でもないのに高いと感じても、こんなハイスペックいらないよと感じてもみーんな同じの使う。

僕は安定環境を自分で作れる自信があるので、メインのデスクトップをMacにもどす事はありません。
でも、カスタマイズ性の低いラップトップはMacでもいいかな。
まぁ、スマホの高性能化でそれもいらないけど‥。